耐震等級3はいらないって本当?後悔しないために知っておくべきメリットデメリット

耐震等級3はいらない?

「耐震等級3にしておけば、大地震が来ても安心だろうな…」と頭ではわかっているものの、耐震等級3って本当に必要なの?そこまではいらないのでは?と迷っている方もいるのではないでしょうか。

今建てる家は新耐震基準が適応されますので、耐震等級1でも必ずしも大地震がきたらすぐさま倒壊することは少ないでしょう。

性能表示等級概要
等級3建築基準法の1.5倍の建物の強さ
建築基準法の1.5倍の地震でも倒壊しない(消防署や警察署と同等レベル)
複数回大地震が起きても、修繕すれば住み続けられる
等級2建築基準法の1.25倍の建物の強さ
建築基準法の1.25倍の地震でも倒壊しない(学校や病院と同等レベル)
複数回大地震が起きたら住むことが困難な可能性がある
等級1建築基準法レベルの建物の強さ
震度6強~7の大地震が起きても即時倒壊しないレベル
命は守れてもその後住むことは困難な可能性がある

しかし、1995年に阪神大震災、2011年に東日本大震災、2016年に熊本地震、2024年元旦の能登半島地震と定期的に大きな地震を経験する地震大国ニッポン。

近年は耐震基準が決められた時より、地震の規模が大きくなっており回数も増えています。

また耐震基準は単発の地震には有効でも、連続した地震までは考慮されていませんので、安心して住み続けることを考えるならば、耐震等級を軽く考えてはいけません。

この記事でわかること

  • 耐震等級3にしなかった人のよくある後悔
  • 耐震等級3のデメリット
  • 耐震等級3のメリット
  • 耐震等級3で後悔しないためのチェックポイント
  • 耐震等級3が標準仕様のハウスメーカー

ぜひ耐震等級3について理解し、納得した家づくりをしてくださいね。

予算内で理想の家を建てる方法

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目次

耐震等級3はいらない?よくある後悔2選

最初に結論をいうと、耐震等級3はいらないか?と聞かれれば、私は「必要」と答えます。

実際、耐震等級3はいらないと思い、導入しなかったことにより後悔している方は多くいます。

耐震等級のよくある後悔は以下の2つです。

  • 耐震等級3相当だった
  • 住んでからも不安が付きまとう

以下で詳しく紹介します。

耐震等級3相当だった

自分の家が耐震等級3だと思っていたら、「耐震等級3相当」だったと建てた後に気が付き後悔するケースがよくあります。

住宅会社が詳しく説明していないパターンですね。

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」では、まったく意味が違います。

「耐震等級3」の住宅は、お金を払い住宅性能評価機関で認定を受けた住宅を指すから。

一方で、耐震等級3相当は、自社計算なのでいい加減な可能性もあります。

耐震等級3相当の実態は、以下のパターンに分かれます。

  • 許容応力度計算してるけど審査していないだけ
  • 品確法で計算して基礎も検討してるけど審査していないだけ
  • 筋交は品確法で計算してるけど基礎は特に検討してない
  • 壁量計算で筋交を1.5倍入れてる

構造はどうなっていて、どういった事情で耐震等級3相当なのかしっかりと理由を確認する必要があります。

また、耐震等級3なら受けられる金銭的メリットも、耐震等級3相当であれば受けることができません。

住んでからも不安が付きまとう

「耐震等級3はいらないと思ったけど、入居してから地震が不安になった」という後悔も多く聞きます。

家づくりの時は、時間や金銭など様々な理由から「3相当」でいいと納得したつもりでも、住んでいると不安がつきまとう暮らしに後悔してしまうケースもあります。

要するに、お金を払って耐震等級3の認定を受けることは、安心安全を買うこととも言えるますね。

耐震等級3はいらない?と感じる人がいる理由。デメリット3つ

繰り返しになりますが、耐震等級3はいらないか?と聞かれると、安心安全のためには耐震等級3は必要です。

ただし、耐震等級3の家にはいらないと考える人もいます。理由は3つのデメリットがあるから。

  • 取得費用が必要である
  • 間取りに制限が出る
  • 完成までにかかる期間が長くなる

以下で解説します。

取得費用が必要である

「耐震等級3が標準仕様」というハウスメーカーでは追加費用なしで耐震等級3の家を建てることができますが、標準仕様でないハウスメーカーの場合は、取得費用がかかります。

内訳は以下の通り。

  • 構造計算費用・・・性能表示計算の費用は約10万円、許容応力度計算(構造計算)の費用は20万円~
  • 耐震等級3を満たすための部材費・施工費・・・耐力壁や建築金物が多くなる
  • 第三者機関による調査費

構造計算の中でも許容応力度計算は、詳細な計算を行い安全性能も高いのですが、非常に計算が難しいため第三者機関に依頼するハウスメーカーも多くあります。

耐震等級3が標準仕様ではないハウスメーカーで耐震等級3の家を建てたい場合は追加費用が約40~50万円かかると思っておきましょう。

間取りに制限が出る

耐震等級3を取得するためには、取得しない家よりも耐力壁を増やしたり、柱や梁を太くしたりする必要があります。

その結果、柱や壁のない大空間であったり、大開口の窓であったり、大きな吹き抜けなど間取りに制限が出てしまうこともあります。

本来ならば間取りの自由度が高いと言われる木造軸組工法のハウスメーカーを選んだとしても、耐震等級3を取るために希望通りの間取りにならなかったというケースもありますので、注意が必要です。

耐震等級3の家を建てたい場合は、理想の間取りで耐震等級3が取得できるのかあらかじめハウスメーカーと相談しておくといいでしょう。

完成までにかかる期間が長くなる


マイホームの耐震性を耐震等級3に引き上げることを検討する場合、家の完成までに1~2ヶ月余分に時間がかかる可能性があります。

理由は以下の通り。

  • 設計段階での時間投資・・・耐震等級3を達成するためには、通常の建築よりも詳細な設計が必要です。このため、設計段階で通常よりも時間がかかります。
  • 第三者機関による認定と検査:・・・耐震等級3の認定を受けるためには、第三者機関による検査が必要です。これにより、建築物が所定の耐震基準を満たしていることを証明します。
  • 耐震用金物の設置工程の追加・・・耐震性を高めるために特別な金物や構造体を設置する必要があります。これにより、工程が追加され、建設期間が延長することがあります。

いつ頃引渡しになるか確認しておくといいでしょう。

耐震等級3の住宅を建てるメリット4つ

耐震等級3には、デメリットもある一方で、取得するには大きなメリットがあります。

  • 地震に強い家になる
  • 地震保険料が50%割引になる
  • フラット35Sで金利優遇が受けられる
  • 売却時に高額で売れる可能性がある

一つ一つ解説します。

地震に強い家になる

耐震等級3の住宅は、地震に強い家になります。

熊本地震の被害状況

※出典:国交省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント

実際、2016年に震度7の大地震が2回連続で発生した熊本地震で、耐震等級3の認定を受けた家の8割以上が無被害、残りも軽微な被害で済んでいます。

地震のたびに「ビクビクしなくていい」という精神的な安心感を得ることが出来るのも大きなメリットの一つです。

地震保険料が最大50%割引となる

デメリットで伝えたように、耐震等級3には取得費用がかかりますが、他の費用面でのメリットがあります。

耐震等級3の認定を受けた住宅は、地震保険料が50%割引になります。

耐震等級耐震等級1耐震等級2耐震等級3
地震保険料割引率10%割引30%割引50%割引

例えば、東京都でロ構造(木造) 保険金額3,000万円で、1年間の地震保険料が123,300円で35年間保険に加入し続けた場合、

  • 耐震等級1の場合は(123,300円×(10%割引)×35年=3,883,950円
  • 耐震等級3の場合は(123,300円×(50%割引)×35年=2,157,750円

地震保険の保険料は住んでいる都道府県と建物構造によって異なりますが、長期的にみると耐震等級3の方がぐんと安くなりますので、大きなメリットとなります。

「耐震等級3相当」は認められませんので注意してください。

フラット35Sで金利優遇が受けられる

耐震等級3を取得していればフラット35のなかでも金利優遇の大きいフラット35Sの金利Aプランでローンを組む事が可能です。

フラット35Sの金利Aプランとは、0.25%の金利引き下げを10年間受けられるプランです。

出典:フラット35

例えば、上記の図のように借入額3,000万円(融資率9割以下)、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、借入金利年1.80%の場合、通常のフラット35よりも約74万円お得になります

「耐震等級3相当」は認められませんので注意してください。

売却時に高額で売れる可能性がある

耐震等級3の認定を受けていると、住宅売却時に付加価値がついているため、相場より高額で売れる可能性があります。

理由は1つで、売却時に住宅性能評価書(耐震等級3を証明する公的書類)があるかないかで、買主の反応が変わるからです。

あなたが建築時に住宅性能について調べたように、買主も同じく徹底的に住宅性能を調べます。

要するに、あなたが安心安全な住宅に住みたいのと同じくらい、買主も安心安全な住宅に住みたいのです。

耐震等級3で後悔しない為のチェックポイント3つ

耐震等級3を取得するにあたり、後悔しない為のチェックポイントを3つ紹介します。

  • 耐震等級3なのか耐震等級3相当なのかを確認する
  • どの空間に壁や柱を設置するのか建築士に確認する
  • 耐震性能の計算方法を確認する

下記で詳しく解説していきます。

耐震等級3なのか耐震等級3相当なのかを確認する

「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は別物なので、しっかりと確認しておきましょう。

また耐震等級3を取得する場合、費用がどのくらいかかるのか確認しておくと安心ですね。

契約する前に間取りを確認する

住宅会社と契約する前に、耐震等級3を取得しても希望の間取りが出来そうかを確認しましょう。

間取りの自由度が高いハウスメーカーでも、耐震等級3を取得するには、耐力壁をたくさん設置しなければならず希望の間取りにならないケースもあります。

ここは、住宅会社や設計士の腕の見せ所でもあるので、よく間取りを検討した上で、住宅会社と契約しましょう。

間取りの不安を解決する方法

間取りを決める時、

  • 本当にこの間取りで大丈夫かな?
  • もっといい間取りのアイデアがあるんじゃないかな?

と不安になっていませんか?

そうなるのは、間取りの比較をしてないから!

同じ条件でも、違う住宅会社だったり、違う人に作ってもらうだけで間取りはガラッと変わります。

納得のいく間取りに出会えるかもしれないし、いろんな間取りのいいとこ取りしてもいい!

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耐震性能の計算方法を確認する

耐震等級3といえど、より安心な家を建てたいという方は、どういった方法で耐震性を計算しているのかをハウスメーカーへ確認してみましょう。

耐震性の計算方法は3種類あります。

  • 仕様規定
  • 性能表示計算
  • 許容応力度計算
仕様規定性能表示計算許容応力度計算
耐力壁の量
耐力壁のバランス
床水平構面
柱の座屈
接合部の検討
横架材の検討
基礎の設計

耐震等級2以上を確保するには「性能表示計算」か「許容応力度計算」が必要になりますが、同じ耐震等級3でも、許容応力度計算で建てられた家のほうが、強度が高い丈夫な家であると言えます。

耐震等級3が標準仕様のハウスメーカー

ここでは、耐震等級3を標準仕様とするハウスメーカーを紹介します。

木造軸組工法住友林業、タマホーム、アイ工務店、アキュラホーム
木造2×4、2×6一条工務店、三井ホーム、ヤマダホームズ
軽量鉄骨積水ハウス、ダイワハウス、セキスイハイム、トヨタホームズ、パナソニックホームズ
重量鉄骨ヘーベルハウス
鉄筋コンクリート(RC)大成建設ハウジング

同じハウスメーカーであっても、地域や商品・プラン・仕様等により等級が異なる場合がありますので、詳しくは各ハウスメーカーへお問い合わせください。

地震に強いハウスメーカーについて詳しく知りたい場合は、「ライフルホームズの耐震・免震・制震住宅特集」が便利です。

まとめ

この記事では、耐震等級3はいらない?必要?という問いに対して解説しました。

家づくりの優先順位は人それぞれであるものの、安心・安全に長く暮らしていくためには耐震等級3を取得すべきではないでしょうか?

ただし、建築費用が上がりますので、予算と間取りの希望、安全性とのバランスを考えていく必要があります。

ぜひ、後悔しないためにも耐震等級・耐震性能について、納得がいくまでハウスメーカーへ確認してみてくださいね。

ハウスメーカー選びで後悔しないためには?

ハウスメーカーにはそれぞれ特徴があり、出来ること出来ない事・得意不得意があります。

  • 開放感のある間取りにしたかったのに、間取りの制約が多いハウスメーカーにしてしまった…
  • オプション費用が高額で、予定より予算オーバーで色々諦めるしかない…

このようにハウスメーカー選びで後悔しないためには、以下の手順で進めていきましょう。

  1. 実現したい暮らしをイメージする
  2. 複数社でプランを比較する
  3. 気になるハウスメーカーを絞り、実物を見る

①実現したい暮らしをイメージする

  • 家事動線の家がいい
  • リビングに庭が見える大きな窓が欲しい
  • 耐震などは絶対安心できる家がいい

建てた家でこれからどんな暮らしをしたいのかを家族で話合ってみましょう。

そこで役立つのが、ハウスメーカーのカタログです。

カタログ請求

ハウスメーカーのカタログは、自分達の得意とする工法、デザインや間取りを多く載せているので、どんな暮らしをしたいかをイメージできると同時に好みの住宅会社を見つけることもできます

「こんな家いいな」「このキッチン素敵だな」「このリビングの雰囲気好きだな」あなたがいいと感じた部分に付箋を貼ったり、切り抜いてまとめておくと、家族や設計士さんにイメージを伝える時にもとても役立ちますよ。

ハウスメーカーの一括資料請求サービスは、「ライフルホームズ」が使い勝手が良くておすすめ!

予算や地域、テーマ別などあなたの要望に合わせて、住宅カタログを探すことができますよ♪

\家づくりのアイデアが満載/

②複数社でプランを比較する

家づくりの要望が決まったら、 必ず複数社にプランを出してもらい比較して決めましょう。

ハウスメーカーにもそれぞれ特徴があり、 出来ること出来ない事・得意不得意があります。

同じ要望を伝えても、出てくるプランは全く違います。

  • 出来る・できない
  • 価格
  • 間取りや提案力
  • 保証内容

比較して、あなたの希望に一番合うハウスメーカーを決めていきましょう。

タウンライフ家づくり」を使うと、あなたの要望に合う住宅会社をピックアップして、間取りプランの提案・概算見積もりの作成を無料で依頼することができます。

一条工務店の間取り

住宅展示場へ行かなくても、家にいながらハウスメーカーやプランの比較・検討ができますのでぜひ利用してみてくださいね♪

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③気になるハウスメーカーを絞り、実物を見る

ハウスメーカーカタログや間取りプランを見ながら、気になるハウスメーカーが数社に絞れたら、実際に完成宅見学会や住宅展示場で実物を見てみましょう。

自分の希望と同じくらいの大きさの家を実際に見ることで、イメージと本当に合っているか確認できます。

  • 広さや雰囲気
  • 音やニオイの伝わり方
  • 暑さ・寒さ

カタログや資料ではわからない部分もあるので、実際に体感して、納得してからハウスメーカーを決めることで理想のハウスメーカーが見つかりますよ。

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