耐震等級3はいらないって本当?後悔しないために知っておくべきメリットデメリット


耐震等級3って本当にいるのかな、そこまでしなくていいって言われたし…。
この記事では、耐震等級3はいらないのかについて解説します。
結論から言うと、費用と間取りに折り合いがつくなら取っておきたい仕様です。
2016年の熊本地震では等級3の16棟中14棟が無被害、残る2棟は軽微または小破でした。
- 地震のあとも住み続けたいなら耐震等級3
- 倒れないことだけなら等級1でも基準どおり
- 認定なしの「相当」は保険も金利も対象外
- 分かれ目は間取りと構造計算の中身
- 迷ったらスーモカウンターで条件に合う会社を絞る
等級を後から上げるのは難しく、決め直しがきくのは設計中だけ。
打ち合わせが進むほど、壁の位置は動かしにくくなっていきます。
気になった今のうちに構造の話を先に聞くと、納得して選べるでしょう。
\ 耐震等級3が標準の会社を中立の窓口で絞る /
耐震等級3はいらない?結論は「取っておきたい」と考える3つの理由
耐震等級3を取っておきたいのは、地震のあとの暮らしまで見ると差がはっきり出るからです。
3つの理由を順番に見ていきましょう。
理由1 建築基準法は倒れないことを守る最低の基準
1つめの理由は、建築基準法が倒れないことを守る最低の基準だという点にあります。
耐震等級は住宅性能表示制度(住宅の性能を共通のものさしで表す制度)で決められた区分。
等級1は法律が求める水準そのもので、等級3はその1.5倍の力に耐える設計になります。
| 等級 | 耐えられる力 | 告示での書かれ方 |
| 等級3 | 1.5倍 | その力に対して倒壊、崩壊等しない程度 |
|---|---|---|
| 等級2 | 1.25倍 | その力に対して倒壊、崩壊等しない程度 |
| 等級1 | 法律どおり | その地震の力に対して倒壊、崩壊等しない程度 |
ここでいう地震は、数百年に一度程度しか起きない大きさを指しています。
つまり等級1は命を守るための下限であって、暮らしを守る水準ではありません。
理由2 大地震が繰り返し来る前提にはなっていない
2つめの理由は、法律の計算が一度の大きな揺れを想定して組まれていることです。
2016年の熊本地震では、益城町で震度7が2回観測されました。
国の委員会も、複数回の揺れを経験している実態を踏まえつつ、一の地震動で安全性を確かめていると説明しています。
本震で耐えても、余震で残ったゆがみが積み重なることがあります。等級に余裕を持たせるのは、この積み重なりに対する備えでもあります。
令和8年熊本地震でも、発生当日から数日にわたり震度5弱の揺れが繰り返し起きています。
1回で終わらない前提に立つなら、余力のある設計を選ぶ意味は小さくないでしょう。
理由3 地震のあとも住み続けられるかで差が出る
3つめの理由は、地震のあとに住み続けられるかという点です。
壁にひびが入る、建具がゆがんで動かない、という状態でも建物は倒れていません。
ただ実際には、修繕が終わるまで元の暮らしには戻れないもの。
- 倒れない=命を守れた状態
- 住み続けられる=暮らしを止めない状態
- 法律が求めているのは前者まで
耐震等級3は、この後者に近づけるための上乗せだと考えるとわかりやすいはずです。
構造の考え方は会社ごとに違うので、スーモカウンターのような中立の窓口で聞くと比べやすくなります。
いらないと言われる3つの理由!耐震等級3のデメリット
耐震等級3がいらないと言われる背景には、費用・間取り・期間という3つの負担があります。
どこに負担が乗るのかを1つずつ整理します。
デメリット1 構造計算と評価にお金がかかる
1つめは、計算と評価にかかる費用が上乗せになることです。
耐震等級3を名乗るには、登録住宅性能評価機関(国に登録された第三者の評価機関)の評価が必要になります。
どこにお金がかかるのかを分けて見ておくと、見積書の項目を読み解きやすくなるでしょう。
| 費用の中身 | 何にかかるか | 標準仕様の会社では |
| 構造計算 | 壁の量や柱・梁の検討にかかる設計の手間 | 本体価格に含むことが多い |
|---|---|---|
| 評価の手数料 | 評価機関に払う設計と工事の審査の費用 | 別途になる場合がある |
| 部材と工事 | 耐力壁や金物が増えるぶんの材料と手間 | はじめから織り込み済み |
金額は会社と評価機関によって変わるため、見積もりで確かめるのが確実。
予算の削りどころを探しているなら、新築注文住宅のコストダウンの工夫と並べて考えると決めやすくなります。
デメリット2 耐力壁が増えて間取りに制限が出る
2つめは、耐力壁(地震の力を受け止める壁)が増えて間取りが窮屈になることです。
壁の量だけでなく、東西南北のバランスも欠かせません。
そのため吹き抜けや大開口窓のように壁を減らす要望とはぶつかりやすくなります。



リビングの窓を大きくしたかったのに、そこだけ壁が戻ってきちゃった…。
とはいえ、あきらめる前にできることはまだ残っています。
希望を先に伝えておけば、壁の位置をずらして見晴らしのよさを残せるでしょう。
設計が固まる前に相談するほど、選べる工夫の幅は広く残ります。
デメリット3 引き渡しまでの期間が延びることがある
3つめは、設計と審査の時間が増えることです。
構造の検討に加えて、評価機関の設計審査と現場検査が入ります。
入居時期を決めているなら、いつ引き渡しになるかを早めに確認しておきましょう。
標準で耐震等級3を取っている会社は、この流れが工程表に組み込まれています。期間が読めるかどうかは、会社選びの段階でほぼ決まります。
複数社に声をかけているなら、注文住宅の見積もりは何社が正解かの記事も進め方の参考になるでしょう。
スケジュールの話は、契約前に聞いておくほど揉めにくくなります。
「耐震等級3はいらない」と決めて後悔した2つのケース
実際に後悔しやすいのは、中身を確かめないまま決めたときです。
よくある2つのつまずき方を見ておきましょう。
ケース1 契約後に「耐震等級3相当」だったと気づく
もっとも多いのが、認定を受けていなかったと後から気づくパターンです。
営業担当者の説明では「等級3ですよ」と聞こえていても、書類上は「相当」で止まっていることがあります。
相当は制度上の言葉ではなく、公的な定義もありません。
「等級3です」と「等級3相当です」は、聞こえ方は近くても意味が違います。契約前に、評価を受けるのかどうかを言葉で確認しておきましょう。
会社選びで引っかかりを感じているなら、やめた方がいいハウスメーカーの共通点もあわせて目を通しておくと判断材料が増えます。
気づくのが引き渡し後だと、取り戻せる選択肢はほとんど残っていません。
ケース2 住み始めてから地震のたびに気になり続ける
もう1つは、住んでから気持ちが変わるパターンです。
打ち合わせの時期は費用と間取りの話で頭がいっぱいになりがち。
ところが住み始めると、揺れを感じるたびに構造の話を思い出すことになります。



あのとき等級3にしておけばよかったって、地震のニュースを見るたび思っちゃう。
そう感じるのは、家づくりを真剣に考えた人ほど自然なことです。
耐震の判断は、30年後の自分が納得できるかで考えると迷いにくくなるでしょう。
公的データで確かめる!耐震等級3はいらないと言えるのか
ここからは、国の調査結果をもとに数字で確かめていきます。
数字の読み方まで含めて整理していきましょう。
耐震等級3の16棟のうち14棟が無被害だった調査結果
もっとも参照されるのが、2016年の熊本地震での益城町中心部の悉皆調査(対象をもれなく全部調べる調査)です。
この調査で、住宅性能表示制度を使った木造住宅のうち耐震等級3だった16棟は、14棟が無被害でした。
残る2棟は軽微または小破で、倒壊した建物はありません。
国の報告書は総括で「住宅性能表示制度に基づく耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)が3のものには大きな損傷が見られず、大部分が無被害であった」と記しています。
ただし16棟という数は多くなく、母数が小さい調査である点は押さえておきたいところ。
同じ地域の話は一条工務店の地震倒壊の事例でも詳しく整理しています。
2000年以降の木造でも倒壊・崩壊は2.2%あった
「今の基準で建てるなら等級1で足りる」という説明は、同じ調査の別の数字と突き合わせると見え方が変わります。
金物の仕様が明確になった2000年6月以降の木造319棟でも、倒壊・崩壊は7棟ありました。
| 建てた時期 | 無被害 | 倒壊・崩壊 |
| 2000年6月以降 | 61.4% | 2.2% |
|---|---|---|
| 1981年6月〜2000年5月 | 20.4% | 8.7% |
| 1981年5月以前 | 5.1% | 28.2% |
※出典:国土技術政策総合研究所の報告書概要(暫定値・2016年9月8日時点のデータ)。
倒壊した7棟のうち3棟は接合部の仕様が不十分で、1棟は敷地の崩壊が原因でした。
残る3棟は明確な原因が確認できなかったと報告されています。
建築基準法は「住み続けられること」まで求めていない
耐震等級の話でいちばん見落とされやすいのが、法律が守る範囲です。
同じ報告書には、次のような記述があります。
建築基準法令は、建築物の構造等に関する最低の基準を定めたものであり、今回の熊本地震のような大地震に際し構造部材や非構造部材等において損傷が生じないことや、被災後に継続して使用できることまでを要求しているものではない。
つまり法律は、傷まないことも住み続けられることも約束していません。
報告書は、余裕のある設計を求める人に向けた情報提供の必要性にも触れています。
耐震等級3は、その余裕を数字で示せる形にした選択肢だといえるでしょう。
いらないと決める前に知りたい耐震等級3のメリット4つ
耐震等級3には、地震そのものへの強さ以外にも制度上の後押しがついてきます。
4つのメリットを順に見ていきます。
メリット1 地震のあとも暮らしを続けやすい
いちばんの価値は、揺れたあとの生活を守りやすいことです。
建物のゆがみが小さければ、壁のひびや建具の不具合も出にくくなります。
修繕の規模が小さいほど、仮住まいや工事の日程に振り回されずにすむもの。
- 片づけと修繕にかかる日数が短くなりやすい
- 在宅避難という選択肢を持ちやすい
- 余震のあいだも判断に迷いにくい
令和8年熊本地震では、8月6日8時00分時点で全壊699棟・半壊1,045棟という速報が出ています。
住まいが使えるかどうかで、その後の暮らし方は大きく変わるでしょう。
メリット2 地震保険の耐震等級割引を受けられる
2つめは、地震保険の耐震等級割引(等級に応じて受けられる割引)の対象になることです。
割引は建築年・耐震等級・免震建築物・耐震診断の4種類があり、重ねて使うことはできません。
| 割引の種類 | 割引率 | 対象 |
| 耐震等級割引(等級3) | 50% | 品確法の基準による等級3 |
|---|---|---|
| 耐震等級割引(等級2) | 30% | 品確法の基準による等級2 |
| 耐震等級割引(等級1) | 10% | 品確法の基準による等級1 |
| 建築年割引 | 10% | 昭和56年6月1日以降に新築された建物 |
※出典:財務省「地震保険制度の概要」(免震建築物割引・耐震診断割引もあり、重複適用は不可)。
地震保険は火災保険に付帯する形で契約するため、火災保険への加入が前提になります。
メリット3 フラット35Sの金利引下げの対象になる
3つめは、住宅ローンのフラット35Sで金利の引下げを受けられることです。
新築の耐震性の基準では、耐震等級3の住宅または免震建築物が金利Aプランに当てはまります。
| プラン | 引下げ幅と期間 | 耐震性の基準(新築) |
| S(ZEH) | 年▲0.75%・当初5年間 | 省エネの基準で判定 |
|---|---|---|
| S(金利Aプラン) | 年▲0.5%・当初5年間 | 耐震等級3または免震建築物 |
| S(金利Bプラン) | 年▲0.25%・当初5年間 | 耐震等級2以上 |
※出典:住宅金融支援機構【フラット35】S・プランと技術基準(内容は変更される場合があります)。
引下げのメニューは組み合わせられる仕組みのため、条件は金融機関に確認しておきましょう。
返せる金額の考え方は、注文住宅の予算の決め方の記事でも整理しています。
メリット4 長期優良住宅や売却時の説明材料になる
4つめは、書類として残ることの強みです。
長期優良住宅(長く良い状態で住み続けられると認定された住宅)の耐震性の基準にも関わってくるでしょう。
木造2階建てで壁量計算による場合は等級3が求められると、国の資料に示されています。
建設住宅性能評価書(工事の検査まで受けたことを示す書類)が手元にあると、売却のときも性能を言葉ではなく書面で説明できます。
買う側も性能を細かく調べる時代なので、第三者の評価があると話が早く進みます。
認定を取るか迷っているなら、スーモカウンターで費用と手続きの流れを先に聞くと決めやすいでしょう。
「耐震等級3相当」は等級3と同じ?認定との違いを整理
耐震等級3と「相当」の差は、第三者が確かめたかどうかにあります。
どこが違うのかを具体的に見ていきましょう。
「相当」は第三者の評価を受けていない状態
耐震等級3は、登録住宅性能評価機関の審査を経て書面で認められた等級を指します。
住宅性能表示制度は、国が定めた項目と基準で評価機関が設計図書の審査や現場検査を行う任意の制度。
一方の「相当」は、その審査を受けずに自社の判断で名乗っている状態を指します。
| 項目 | 耐震等級3 | 耐震等級3相当 |
| 第三者の審査 | 評価機関が実施 | なし |
|---|---|---|
| 残る書類 | 住宅性能評価書 | 社内の計算書のみ |
| 制度上の位置づけ | 住宅性能表示制度の等級 | 公的な定義なし |
相当だから中身が弱い、と決めつける話ではありません。
ただし外から確かめる手段がないため、説明を受ける側の負担は重くなります。
相当だと地震保険も金利の引下げも対象外になる
実務でいちばん響くのが、優遇の対象から外れるという点です。
地震保険の耐震等級割引は、品確法の基準に定められた等級を有している場合が条件になります。
評価を受けていなければ、その等級を持っていることを示せません。
フラット35Sの金利引下げも同じで、技術基準に適合していることを示す書類が要ります。「相当」のままでは、保険も金利も受け取れる形になりません。
評価にかかる費用と、受けられる優遇を並べて比べると判断しやすくなるでしょう。
長い目で見れば、書類が残るほうが手元に選択肢を残せます。
相当と言われたら計算方法と根拠を確かめる
「相当」と言われたときに聞きたいのは、どの計算で確かめたのかという一点です。
壁の量だけを1.5倍にしたのか、柱や梁まで検討したのかで中身は大きく変わります。
基礎まで検討しているかどうかも、あわせて確認しておきたいところ。
- どの計算方法で等級3を確かめたのか
- 基礎と接合部まで検討に入っているのか
- 計算書を見せてもらえるのか
この3つに具体的に答えられるかで、会社の姿勢はかなり見えてきます。
装置で揺れを吸収する考え方については、一条工務店に制震ダンパーは不要かを整理した記事で詳しく書きました。
法改正で構造の確認が変わった!耐震等級を取り巻く今の流れ
令和7年4月の建築基準法改正で、木造住宅の構造の確かめ方が大きく変わりました。
古い情報のまま判断しないよう、変更点を押さえておきましょう。
木造2階建ても構造関係の審査が必要になった
これまで木造2階建ての住宅は、4号特例という仕組みで構造の審査を省けていました。
令和7年4月1日からは、都市計画区域等内で平家かつ200㎡以下の建築物以外が審査の対象です。
つまり一般的な2階建て住宅は、図書を出して見てもらう対象に変わりました。
| 区分 | 改正前 | 令和7年4月以降 |
| 木造2階建て | 構造の審査を省略できた | 構造規定等の審査が必要 |
|---|---|---|
| 木造平家(200㎡以下) | 省略できた | 省略できる区分が残る |
※出典:国土交通省「建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」。
設計の中身が外から見える形になった、という意味では大きな変化です。
必要な壁の量そのものが見直された
同じタイミングで、必要壁量(建物に必要とされる壁の量)の基準も改められました。
断熱材や太陽光パネルで建物が重くなった実態に合わせるための見直しです。
重い建物ほど地震の力を受けるため、断熱性能を示すUA値の話とも地続きになっています。
壁量基準の経過措置は令和8年3月で終了しました。今から設計する住宅は、新しい基準で必要な壁の量を算定することになります。
ネット上の記事には改正前の前提で書かれたものが多く残っています。
情報の日付を見てから読むと、判断を誤りにくくなるはずです。
「昔から等級3です」の中身も変わっている
基準が変われば、同じ等級3でも中身は別物。
住宅性能表示制度と長期優良住宅認定制度も、同じ日から新しい基準で動いています。
そのため「昔から等級3でやっています」という説明だけでは、今の水準は測れません。



同じ言葉でも中身が変わってるなら、いつの基準の話か聞かないとダメだね。
確かめたいのは、新しい基準で計算した図面を出せるかどうかです。
最新の基準で計算した数字を見せてもらえれば、比べる土台がそろいます。
耐震等級3がいらないか迷ったときに確認したい4つのこと
迷いを解くには、自分の家の条件に引き寄せて確かめるのが近道です。
順番に確かめていきましょう。
認定まで取るのか「相当」で止めるのか
まず決めたいのが、評価まで受けるかどうかです。
評価を受ければ書類が残り、保険と金利の優遇も申請できます。
受けなければ手数料は浮きますが、性能を示す手段は社内の書類だけになるもの。
後から評価を受け直すのは手間もお金もかかります。契約前に「評価まで取るか」を決めておくと、あとの手戻りが減ります。
優遇まで見込むなら、最初から認定を前提に進めるほうがすっきりします。
希望の間取りで耐震等級3を取れるか
次に確かめたいのが、希望の間取りとの両立です。
吹き抜けや大きな窓を入れるほど、壁の配置は窮屈になっていくもの。
1階と2階で柱や壁がそろっている割合を直下率と呼び、ここがそろうほど設計はまとまりやすくなります。
- 希望の間取りのまま等級3を取れるか
- どこを変えれば取れるようになるか
- 変えたときに暮らしがどう変わるか
この3つを同時に聞くと、折り合いのつけどころが見えてきます。
進め方に迷ったら、注文住宅の間取り決めのやり方や一条ルールの一覧も参考になるでしょう。
耐震性をどの方法で計算しているか
同じ等級3でも、計算の細かさには差があります。
木造住宅で使われる方法は、大きく3つ。
| 方法 | 確かめる範囲 | 等級3への使いやすさ |
| 仕様規定 | 壁の量とバランス・接合部の仕様 | 基本の決まりを守る段階 |
|---|---|---|
| 性能表示計算 | 上記に床の水平構面や柱の検討を追加 | 等級の判定に使える |
| 許容応力度計算 | 梁などの横架材と基礎の設計まで | 1棟ごとに細かく確かめられる |
許容応力度計算は、柱や梁の1本ずつまで力を確かめる方法です。
どの方法を使っているかは、スーモカウンターのような窓口で条件として伝えておくと早いでしょう。
地盤調査の結果と地盤改良の内容
建物をどれだけ強くしても、足元が動けば家は傾くもの。
熊本地震の分析でも、液状化(地震で地盤がやわらかくなる現象)による沈下や傾斜が確認されています。
地盤改良(弱い地盤を補強する工事)の内容は、削る前に目を通しておきたい項目です。
建物の強さは設計で決まりますが、地盤は土地で決まります。ハザードマップや造成の履歴もあわせて見ておくと、土地選びの材料が増えます。
土地からの検討なら、買ってはいけない土地の特徴にも目を通しておくと見落としが減ります。
建物と足元の話は、セットで考えるのがおすすめです。
耐震等級3が標準のハウスメーカーは?いらない不安を減らす選び方
費用と手間の悩みは、標準で等級3を取る会社を選べば大きく減らせます。
見分け方から具体例まで見ていきましょう。
標準仕様かどうかを見分ける3つの質問
同じ会社でも、商品やプランによって等級が変わることがあります。
そのため検討中の商品で聞くのが確実です。
| 聞くこと | 望ましい答え | 気をつけたい答え |
| この商品は等級3が標準か | 全棟で標準です | だいたい取れています |
|---|---|---|
| 評価まで受けるのか | 評価書を発行します | 等級3相当です |
| どの計算方法か | 1棟ごとに構造計算します | 設計士に任せています |
各社の標準の中身は、ヤマト住建の標準仕様のような記事で1社ずつ確かめられます。
会社選びの全体像はハウスメーカーの探し方・選び方フローチャートに5つの手順でまとめました。
一条工務店は全商品で耐震等級3が標準
標準で等級3を取っている会社の例が、一条工務店です。
公式サイトでは、すべての商品タイプと建物で耐震等級3を標準仕様として実現していると説明しています。
さらに壁量計算ではなく、許容応力度計算を一邸ごとに行うとも公表。
| 会社名 | 一条工務店 |
|---|---|
| 耐震等級 | 全商品で耐震等級3が標準仕様 |
| 構造計算 | 一邸ごとに許容応力度計算 |
| 基礎 | 立ち上がり幅160mm(建築基準法は120mm)・主筋に16mmの異形鉄筋 |
| 上位の仕様 | 建築基準法の2倍を狙う2倍耐震(対応商品は4つ) |
| 実験 | 実大耐震実験を40年にわたり継続と公表 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
上位の仕様である2倍耐震では、室内の仕上げ材の損傷まで抑える狙いが示されています。
標準の中身は、一条工務店の標準仕様一覧でも項目ごとに確認できるでしょう。
中立の窓口に条件を伝えて会社を絞る
ここまでの確認を1社ずつ展示場で聞いて回るのは、かなり骨が折れます。
そこで使えるのが、建築会社を紹介してくれる中立の相談窓口です。
スーモカウンターは営業を行わず、中立的な立場から提案すると公式に明記しています。
「耐震等級3を標準にしていること」「1棟ごとに構造計算していること」を条件として先に伝えておくと、条件に合わない会社を回る時間を減らせます。日程調整やお断りの連絡も代わりに引き受けてもらえます。
店舗・オンライン・電話から相談方法を選べるので、展示場に行く前に絞れるのが利点です。
もう一つの窓口としてLIFULL HOME’S 住まいの窓口もあり、違いはスーモカウンターと住まいの窓口の比較にまとめました。
使い勝手が気になるなら、スーモカウンターの評判・口コミもあわせて確認できます。
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【Q&A】耐震等級3はいらない?よくある疑問
打ち合わせでよく出る質問を、まとめて整理しておきます。
耐震等級3にすると建築費はどれくらい上がりますか?
会社と評価機関によって扱いが違うため、一律の目安は示せません。標準仕様の会社なら本体価格に含まれることが多く、そうでなければ計算・評価・部材の3つに分かれて乗ってきます。内訳は構造計算と評価にお金がかかる話で表にまとめました。
耐震等級1のままでも問題はありませんか?
等級1は建築基準法が求める水準を満たしており、法律上の問題はありません。ただし国の報告書は、法令が損傷ゼロや被災後の継続使用まで求めていないと明記しています。詳しくは建築基準法は最低の基準という話をご覧ください。
「耐震等級3相当」でも地震保険の割引は受けられますか?
いいえ、耐震等級割引は品確法の基準に定められた等級を有している場合が条件です。評価を受けていない「相当」では、等級を持っていることを示せません。理由は優遇の対象から外れる話で説明しています。
建てたあとから耐震等級3に上げられますか?
壁や接合部の補強と再評価が必要になり、暮らしながらの工事は負担が大きくなります。現実には設計の段階で決めておく話だと考えたほうが無理がありません。判断のタイミングは認定まで取るかどうかの話にまとめました。
耐震等級3なら地震で壊れませんか?
いいえ、無傷を約束する等級ではありません。熊本地震の調査でも、等級3の16棟のうち2棟には軽微または小破の被害が出ています。数字の読み方は16棟のうち14棟が無被害だった調査結果で整理しました。
制震や免震にすれば耐震等級3はいらないですか?
役割が違うため、置き換えの関係にはありません。熊本地震では免震建築物12棟のうち5棟で構造耐力上主要な部分の被害が確認されており、装置があれば万全という話でもないのです。計算方法との関係はどの方法で計算しているかの話をご覧ください。
木造2階建ては構造計算をしていないと聞きましたが本当ですか?
令和7年4月1日の改正で扱いが変わりました。都市計画区域等内では、平家かつ延べ面積200㎡以下の建築物以外は構造規定等の審査が必要になっています。変更点は木造2階建ても審査が必要になった話で表にしました。
平屋でも耐震等級3を取る意味はありますか?
あります。平屋は審査を省略できる区分が残るぶん、性能の差が書類に出にくいためです。第三者の評価が残る意味は長期優良住宅や売却時の説明材料になる話で説明しています。
長期優良住宅なら自動的に耐震等級3になりますか?
いいえ、耐震性の基準は等級2以上か、免震建築物などの選択肢もあります。ただし木造2階建てで壁量計算による場合は等級3が求められます。制度の関係は書類として残ることの強みで触れました。
吹き抜けや大きな窓はあきらめるしかないですか?
いいえ、壁の配置を工夫すれば両立できる場合があります。ただし設計が固まってからでは動かせる範囲が狭くなるため、希望は早めに伝えるのがおすすめです。進め方は希望の間取りで取れるかの話にまとめました。
まとめ:耐震等級3はいらないと決める前に、構造計算の中身を確かめよう
耐震等級3がいるかどうかは、倒れるかではなく地震のあとも住み続けられるかで決まります。
- 法律が守るのは倒れないところまで
- 等級3の16棟のうち14棟が無被害という記録
- 「相当」は保険も金利も対象外
- 法改正で構造の確かめ方が変わった
- 迷ったらスーモカウンターで条件に合う会社を絞る
費用の話だけで判断すると、地震のあとに効いてくる差にたどり着けません。
同じ商品でも、窓の取り方ひとつでゆがみ方は変わってきます。



いる・いらないで悩むより、自分の間取りで数字を出してもらうほうが早そう。
間取りが固まってからでは、壁の位置を動かす余地はほとんど残りません。
気になった今のうちに構造の話から相談を始めると、納得しながら家づくりを進められるでしょう。
\ 耐震等級3を条件に会社を紹介してもらう /

